新しいことを始めてみたものの、「なんか気が重い…」「なかなか手が進まない…」と感じてしまうこと、ありますよね。
そして多くの人がこう結論づけてしまいます。
「ああ、やっぱり自分には向いてないんだな」と。
でもちょっと待ってください。
前回、「時間ではなくエネルギーで管理しよう」という話をしましたが、実は今回もその続きです。
あなたがそのタスクを「重い」と感じるのは、あなたの能力が低いからでも、向いていないからでもありません。
単に「タスクの設計ミス(構造が荒い)」である可能性が高いんです。
今日は、その「重さ」を取り除き、本当の適性を見極めるための「タスク軽量化の技術」を紹介します。
これを試す前に辞めてしまうのは、あまりにももったいないですよ!(笑)
「軽く触って判断」が一番キケンな理由
よく「とりあえず軽くやってみて、楽しかったら続けよう」という人がいますが、実はこれ、一番の罠なんです。
なぜなら、人間には「新規性バイアス」があるからです。
「楽しい=向いている」ではない
最初はどんなことでも新しい刺激があるので、脳は勝手に「楽しい!」「自分に向いてるかも!」と錯覚してしまいます。
でもそれは、まだ壁にぶつかっていないから楽しいだけかもしれません。
逆に、本当の適性というのは「ヘトヘトに疲れるまでやった後」にしか見えてこないんです。
- 頭が重くなるまで考えた後でも、嫌悪感がないか?
- 面倒な作業に耐えられるか?
- 「もう一歩」踏み込みたくなるか?
成果が出る人は、この「疲れた後の壁」を越えられた人だけ。
だからこそ、最初の「楽かどうか」だけで判断するのはやめて、まずは「ちゃんと疲れるところまで触る」のが正解なんです。
「重すぎてできない」の正体は能力不足ではない
「でも、疲れるまでやる前に、手が止まっちゃうんだよ!」
そんな声が聞こえてきそうです(笑)。わかります。
その「重すぎて動けない」という状態、実はあなたの能力不足ではありません。
原因はシンプルに、「タスクの構造が荒すぎる」ことにあるんです。
「判断」が脳を疲れさせる
たとえば「ブログ記事を書く」というタスク。
これ、一見簡単そうに見えて、脳にとっては激重タスクなんです。
- テーマはどうする?(判断)
- 書き出しは何て書く?(判断)
- 構成は?(判断)
- 画像は?(判断)
このように「判断」が連続すると、人は作業をする前に疲弊してしまいます。
重いなら、その「判断」を取り除いて軽くしてあげればいいだけなんです。
誰でもできる!タスクを軽量化する「3つの調整弁」
では具体的に、どうやってタスクを軽くすればいいのでしょうか?
探索期(フェーズ1)で使える、魔法のような「軽量化テクニック」を3つ紹介します。
1. 判断の回数を減らす(仮ルールを作る)
一番効果があるのがこれです。
作業中に迷わなくていいように、事前に「仮のルール」を決めてしまいましょう。
- 「タイトルは仮でOK(最後に決める)」
- 「迷ったらA案にする」
- 「完成度70%で提出する」
「迷ったらこうする」と決めておくだけで、脳の負荷は半分以下になります。
2. 抽象度を一段落とす(「手」を動かす)
「戦略を考える」「コンセプトを決める」といった抽象的なタスクは、脳のリソースを大量に食います。
これを「作業レベル」まで落とし込みましょう。
- × 戦略を考える → ○ 競合の事例を3つ書き出す
- × 企画書を作る → ○ とりあえず目次案を1行書く
思考する前に、まず手を動かす。
「考えたら負け、手が動いたら勝ち」くらいの感覚でOKです。
3. エネルギー上限を決める(強制終了)
真面目な人ほど、新しいことに全力投球して自滅しがちです。
探索期は「余力を残すこと」も仕事のうち。
- 「今日はここまでやったら終わり」
- 「タイマーが鳴ったら途中でもやめる」
- 「続きは明日やる前提で止める」
こうして「途中で止める設計」をしておくと、翌日の再開ハードルも下がりますよ。
それでもダメなら…「本当の撤退ライン」はここ
さて、ここまで「軽量化」してもなお、どうしても手が止まってしまう場合はどうすればいいでしょうか?
- 判断を減らしても億劫
- 作業レベルに落としてもやりたくない
- 何度やっても生理的な嫌悪感が残る
ここまでやってダメなら、そこで初めて「自分には向いていない」と認定してOKです。
これこそが「正しい撤退」です。
ここまでやり切ってから辞めれば、「やり方が悪かっただけかも…」という未練もなくなり、スッキリと次の選択肢に進めますよね。
まとめ:重さは「敵」ではなく「調整不足のサイン」
「タスクが重い=向いていない」と早合点するのは、本当にもったいないです。
重さを感じたら、まずは「設計ミス(調整不足)」を疑ってみてください。
- 判断を減らすルールを作る
- 具体的な作業に落とし込む
- 強制終了ラインを決める
この3ステップで「軽量化」してもなお、心が拒否するかどうか。
それを確かめてから判断しても、決して遅くはありませんよ。(^^)
さて、こうして見極めた「本当に向いていること」が育ち、いよいよ成果が出始めたとします。
でも実は、「成功した後」こそが一番危ないって知っていましたか?
次回はシリーズ最終回。燃え尽き症候群を防ぎながら、次の柱(プロジェクト)へスムーズに移行する「二重構造の戦略」についてお話しします!

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